成長企業の特徴を考えてみる

最近の成長企業の動向とその特徴からビジネスグロースを探る
山口偉大 2025.05.26
誰でも

こんにちは!山口です。

このニュースレターでは、企業のマーケティングや事業グロース戦略等について分析していきます。時折、ゲストを招いた対談記事なども配信していけたらと考えています。

ビジネス成長の”最強の武器”になるニュースレターを目指して配信していきますので、ぜひ応援のほどよろしくお願いします。

有料・無料問わず不定期で(だいたい週1回)配信していく想定です。まずは無料購読をして、味見してください。

✓ レターのテーマ
・マーケティング
・事業戦略
・企業/事業分析
・汎用的なビジネスノウハウ
・キャリア論

自己紹介

まずは簡単な自己紹介から。略歴はこんな感じです。基本的には、起業家として活動しながらも「マーケティングや事業開発」が自分のキャリアの軸となっております。

経歴

山梨県出身、早稲田大学政治経済学部政治学科卒業。PR会社「株式会社ベクトル」にてPRコンサルタントとして従事したのち、「株式会社Branding Engineer(現 株式会社TWOSTONE&Sons)」へ参画、各種人材・DX関連の事業立ち上げや事業部長・経営企画を歴任し独立。上場企業から地方の中堅・中小企業までありとあらゆる業種・規模感の新規事業開発 / マーケティング / ブランディング / PR支援等を実施。その後「Start-X合同会社」「Good Vibes Tokyo合同会社」を設立。マーケティングや事業開発、クリエイティブ制作等の支援事業と共同・自社事業を複数展開。現在は、株式会社グッドパッチへ参画。社長室で各種事業開発に従事しています。複数企業の顧問・アドバイザーも兼務。

※SNS発信も頑張っておりますので、ぜひフォローのほどよろしくお願いします!

各種SNSアカウント

お仕事のご相談は各種SNSからお気軽に。

***

なんでニュースレターを始めるの?

読者層はこんな想定をしているのですが...

読者層

主に、企業のマーケティング/広報関連部門の方々を中心で想定。

次いで、経営者/経営企画/事業開発部門、そのほか新規事業支援を行うコンサルの方にもご購読いただきたいと思っています。

***

普段お仕事で様々な方とお話ししている中で、「ビジネスグロース」の知見が不足している!という気づきがあったので、本ニュースレター発信のきっかけです。

  • 新規事業開発

  • マーケティング

  • 経営・企業変革

といった自分の強みである情報を発信することで、皆様のビジネスグロースに少しでも貢献できると思いました。(新規事業開発やマーケティングを通じたグロースの知見獲得も大変ですし、外注に頼っている企業さんもいまだに多いですからね、少しでも組織力やマーケ力の強化に役立つと嬉しいです)企業のマーケティングや事業グロース戦略等について分析を通じて、少しでも皆様の事業成長に貢献できるようにできればと考えております。

***

成長企業とは?

今回のテーマは「成長企業」に関してです。まずどのような企業が成長企業なのか?その定義について考えてみたいと思います。

「成長企業」の定義は文脈によって多少異なりますが、一般的には以下のような特徴や指標を持つ企業を指すのではないかと思います。

  • 売上や利益が継続的に増加している企業

  • 売上高成長率:年率10%以上が目安とされることが多い

  • 利益成長率:営業利益・純利益が毎年伸びている

  • 市場規模が拡大している産業に属している

  • 従業員数が増加傾向にある

  • 事業拡大に伴い組織規模が拡大している

  • 資金調達を積極的に行っている

  • 各種ファイナンス手段などにより成長資金を獲得

  • 新しい製品やサービスを開発し、差別化を図っている

  • 市場シェアを拡大している

  • 特定の領域でのプレゼンスが高まっている

特に、正しい市場かつ方向性でビジネスを推進していくことが大事そうですね。

定量的な指標の目安は下記のような形かと思います。

📊 定量指標の例(あくまで目安)

- 指標成長企業の水準例年間売上成長率:10〜30%以上
- 従業員増加率:年10%以上
- EBITDAマージン:業種によるが15〜30%が目安
- 顧客数・ARPU成長継続的に増加している

成長企業というと、みなさんのイメージでは「ベンチャー企業」「スタートアップ」「中堅企業」があるかと思いますが、それぞれどんな違いがあるのか?ChatGPTに聞いてみました。

💡 要点で捉える違い

  • 成長企業:結果として成長している企業(成果ベース)

  • ベンチャー企業:成長の可能性や技術革新に挑む姿勢が重視される

  • スタートアップ:成長志向だが、特に「急成長」かつ「短期的なスケール」が目的

  • 中堅企業:安定性と成熟性がある規模の企業で、必ずしも急成長していない

上記の通り、数年〜10年スパンで結果として(成果ベースで)成長している企業を「成長企業」として定義して進めていきたいと思います。

どんな成長企業がある?

成長企業を捉えるために最近重要なキーワードとして「ソリッドベンチャー」があるかと思います。

エンジェルラウンド株式会社さんが作った造語のようですが、個人的にはこの定義で捉えるのがしっくりきており、ぜひみなさんにも覚えてもらいたいと思っております。

(参考 / ソリッドベンチャーの定義)

ソリッドベンチャーがどういうものかというと、創業直後もしくは2期目などの早期から着実に売上・利益を出し続けている会社のことです。ポイントは「早期から着実に売上・利益を出し続けている会社」。

そして、創業から数年たったどこかのタイミングで新規事業として、Jカーブビジネスのスタートアップ的なビジネスモデルを模索・構築し拡大成長していく企業を指しています。

つまり、ソリッドベンチャーは、先述したJカーブビジネスのスタートアップとはその相対する言葉です。

ソリッドベンチャーも2パターン分類することができます。

① 創業初期から売上・利益を出し続け、そのままグロースして上場例えば毎期黒字で堅実に伸ばしていき、利益率も高まってきたある時点でIPO、という事例。2023年のIPO銘柄だとリアルゲイト社、Fusic社などが類型します。

② 序盤は受託やコンサルで稼ぎ、数年後の“社内新規事業”が大きな柱になり、上場例えばナイル社のように、堅実な基盤に加えて、Jカーブ的ビジネスを社内で起こし、大型の収益源に育てるパターン。

2つに共通する「ソリッドベンチャー」のポイントは、毎年確実に売上を作っているということです。浮き沈みの激しい赤字モードではなく、着実に“儲かる事業”を仕込んでいる、というイメージですね。
https://angel-round.com/blog/solid-venture

もちろん創業時や2年目などの初期から赤字を掘らずに成長した事例も「成長企業」と捉えてもよいかと思うのですが、足元をしっかり作った上でビジネスグロースさせることを個人的には推奨しておりますのでこの定義をベースにビジネス自体を考えていった方がいいかと思います。

成長企業の例としては、こんな企業が取り上げられていました。

***

1. INTLOOP社

  • 概要2022年にIPO。設立2005年。ITコンサル〜フリーランス人材を組み合わせたコンサルティング事業が主軸。2024年7月期で年商270億円を超えるなど、綺麗に伸ばしています。

  • 創業の流れ製造業×ITコンサルという形で創業し、創業期からクライアントワーク中心に売上を積み上げる。そのうえでクライアントの要望に沿って、フリーランス人材を使ったプロジェクト組成を独自のビジネスモデルに拡張。

  • ソリッドポイントいきなりVC資金で赤字を掘るわけではなく、稼働人員を増やすほど売上が伸びる仕組みを着実に拡大してきた。さらに、IT人材不足というニーズを確信してフリーランス人材プラットフォーム化を行うことで、新規の柱を追加している。「受注してから着実に人員配置でPLコントロール」を徹底し、会社がコケにくいのが特長です。

2. ボードルア(Borduler)社

  • 概要2021年に東証グロース市場へ上場。時価総額約900億円。ITインフラ領域のコンサル・設計・運用といったSES・請負事業で堅実に成長。

  • 創業の流れ創業期はSES事業をベースに、エンジニアの質の高さをアピールして堅調に売上を積み上げる。そこから自社のR&D組織を立ち上げ、クラウド・セキュリティ領域の新技術を吸収し、より上流コンサルやストック型ビジネスを拡張していった。

  • ソリッドポイント外部資本をほぼ入れずにIPOするという、ソリッドベンチャー的な象徴例。キャッシュが潤沢な分、急拡大しそうな事業があれば投資する準備は整っているし、赤字転落リスクは極めて小さい。ITインフラという“巨大かつ既存の市場”でしっかり受注拡大→上流に乗り出すという堅いセオリーを地で行っています。

3. ユナイトアンドグロウ社

  • 概要2019年にIPO。創業以来ずっと黒字経営のまま、従業員数が増え続けている。中堅・中小企業に特化した「情シス部門支援」のシェア型コンサルが主軸。

  • 創業の流れ「社内の情シス部門をまるっと手伝ってほしい」「でもそこまで大きいコストはかけられない」というニッチで深刻な顧客課題を捉えて、月額会員制型の支援サービスを開始。以後は顧客が安定継続し、売上が右肩上がりに。

  • ソリッドポイント既存事業である情シス支援は、労働集約型に見えつつも、会員制モデルでストック収益を積み上げる形になっている。ベースが安定すると、追加で人材紹介やITコンサルなど「ジワ新規」を起こせる。それを本当にやってきた結果、規模拡大&上場に成功しました。

4. ミギナナメウエ社

  • 概要2018年設立、売上高が20億円規模を超えている若い会社。採用コンサルや転職エージェント事業、SES事業を持ち、創業から複数のサービスを併走しながら黒字成長を続けている。

  • 創業の流れ創業者が採用分野の知見を持っていたため、コンサル&エージェントという堅実モデルで創業。顧客から派生したニーズでSES(技術者の常駐支援)にも展開し、さらに新規事業を追加。人×売上のビジネスではあるが、クライアントを固定化しやすく、撤退リスクも低い。

  • ソリッドポイント新規事業を始めるたびに、既存顧客のニーズを調べ、「コケにくいか」を検証してから動いている。売上の上積みペースはとても早いが、“巨額の赤字”を抱えることはしていないので、仮にどこか1つが外れても倒産リスクは小さい。まさにソリッドベンチャー。

5. C-mind社

  • 概要2011年設立。2023年2月期の売上高35億円。創業時から通信領域の代理店事業で堅調に伸ばし、そこからBtoC商材での新規を増やすなど、15期連続で売上増収。

  • 創業の流れまずは通信の代理店事業(スマートフォン販売・ネット回線など)から入り、安定的なキャッシュフローを確保。そこから「固定費が少なく、撤退もしやすい」商材を選びつつ、新しいサービス展開に投資。結果として定額プリンターやリクルートスーツ無料レンタルなど、ユニークな新規事業を起こせています。

  • ソリッドポイント通信分野は過当競争に見えますが、それでも「代理店モデル」は仕組み次第で十分な利益が出せる。そこで出来た利益を「ジワ新規」に注ぎ込むわけです。新規事業がもしうまくいかなくても、コアの代理店事業で倒産回避というのがソリッドベンチャー的な強さ。

***

Xでこのハッシュタグを追いかけていくのがおすすめです!

大越匠 │ ソリッドベンチャー投資家@エンジェルラウンド株式会社
@TakumiOokoshi
ソリッドベンチャーの事例を知りたい?

検索窓で

・上場ソリッドベンチャー
・未上場ソリッドベンチャー

と入れてもらえると24社分の事例が出てきます〜

#ソリッドベンチャー
2024/10/07 15:58
0Retweet 35Likes

成長企業になるためにはどうしたらいい?

では、ソリッドベンチャー含めた「成長企業」になるためにはどうしたらいいでしょうか?

主に7つのステップがあるかと思います。成長企業になるためには、単に売上を増やすだけではなく、継続的・持続的にスケールできる仕組みや戦略を構築することが鍵です。以下に、成長企業になるためのステップを段階的に整理します。

◾️成長企業になるための7つのステップ

1. 成長市場を選ぶ

  • 市場そのものが伸びていないと企業の成長も難しい。

  • 例:AI、SaaS、再生エネルギー、EV、ヘルスケアなど

  • 市場のCAGR(年平均成長率)が高い分野に注目。

2. 独自性のある価値提供(バリュープロポジション)

  • 他社と差別化された「なぜこの会社から買うのか」を明確に。

  • ユーザーの「未充足ニーズ」への回答が成長の起点。

3. スケーラブルなビジネスモデル

  • 売上が伸びてもコストが比例して増えない構造が理想。

  • 例:SaaS、マーケットプレイス、コンテンツプラットフォームなど

4. プロダクトの磨き込み(PMF)

  • Product-Market Fit(プロダクト市場適合)を達成する。

  • 顧客が「使い続けたい」と思う価値を提供できているか検証。

5. 強力なチーム・組織体制

  • 組織の成長=企業の成長。

  • 「ミッション・ビジョン・バリュー」に共感する人材を採用し、適切な分業とマネジメントを設計。

6. データドリブンな意思決定

  • 勘ではなく、KPIやファネルデータをもとにPDCAを高速回転。

  • CRMやMA、BIツールなどを導入し分析精度を上げる。

7. 資金調達/利益再投資による攻めの戦略

  • 成長フェーズでは利益よりスピードと市場シェアが重要な場合も多い。

  • VC・エンジェル投資、補助金、銀行融資など戦略的に資金を活用。

また、成長企業の分析をしている中で下記のような共通点を発見しました。

  • 顧客理解を徹底している

  • 強固な組織文化を作っている

  • 便益と独自性が明確

  • スピードとリスクテイクのバランスが素晴らしい

また失敗につながるようなアンチパターンとしては下記の通りかと思います。

  • 拡大より維持・運営に労力が偏っている

  • PMF前に広告や採用にコストをかけすぎる

  • 創業者の属人的スキルに依存しすぎてスケールできない

  • 市場の「波」に乗れていない(タイミングや変化に鈍感)

上記のようなポイントを忘れずにビジネス構築をしていくことで、成長企業やグロースするビジネスの波に乗れるかと思います。

着実なビジネス成長と売上・利益の確保は経営者だけでなく、従業員にとっても心の安定剤みたいなもんですからね。正しい市場で、清く正しく戦ってかつことを忘れずに日々ビジネスの種を探していきましょう。

ちなみに余談ですが、最近こんな高速事業開発を知り合いのスモビジ起業家とトライしてみました。

山口 偉大(Takehiro Yamaguchi)
@yamaguchi_take
昨晩、スモビジ起業家の仲間と我が家で高速事業開発した。

1時間:高速で事業コンセプトと戦略を構築(骨子はブレストし、その後GPTと壁打ち)
5分:ClaudeでUIデザインとフロントエンドを実装
2025/05/24 17:09
1Retweet 60Likes

結果的に合計2時間弱で上場企業が運営しているような比較メディアの機能を絞ったメディアが完成しました。AIで遊びながら、高速で事業作るの楽しいのでぜひみなさんも試してみてください!

また、成長企業を作るためには下記の本を読んでいただくことを個人的には推奨しております。

ビジネスを考えるとなると、ちょっと難しく考えている方が多いようにも思うのですが市場などを考えると鉄板となるマーケットやビジネスモデルから考えるのがいいかと思います。

例)

・広告運用
・人材派遣
・BPO
・コンサル
・受託開発 ※一部ツール系含む
・営業代行
・コンテンツ制作

のような具合です。ビジネスアイデアや事業戦略・グロースにお悩みの方は、ぜひ僕のSNSから気軽にご連絡いただければと思います。無料で壁打ち対応しております。

最後に

それでは、最後までお読みいただきありがとうございました!

今回は、成長企業の定義や特徴に関してお届けしましたが、今後は企業や事業などの分析なども通じてお役立ち情報を発信していきます。

時間の許す限り、週1で頑張って配信していきたいと思っておりますので応援のほどよろしくお願いします。

ではでは。

無料で「Business Growth Letter」をメールでお届けします。コンテンツを見逃さず、読者限定記事も受け取れます。

すでに登録済みの方は こちら

誰でも
Business Growth Letter刊行によせて