事業グロース戦略の概要を整理してみた

基盤づくり → 成長加速 → 拡張戦略 の3つのフェーズを段階的に積み上げることで持続的な成果が生まれる
山口偉大 2025.09.07
誰でも

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このニュースレターでは、企業のマーケティングや事業グロース戦略等について分析していきます。時折、ゲストを招いた対談記事なども配信していけたらと考えています。

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自己紹介

まずは簡単な自己紹介から。略歴はこんな感じです。基本的には、起業家として活動しながらも「マーケティングや事業開発」が自分のキャリアの軸となっております。

経歴

山梨県出身、早稲田大学政治経済学部政治学科卒業。PR会社「株式会社ベクトル」にてPRコンサルタントとして従事したのち、「株式会社Branding Engineer(現 株式会社TWOSTONE&Sons)」へ参画、各種人材・DX関連の事業立ち上げや事業部長・経営企画を歴任し独立。上場企業から地方の中堅・中小企業までありとあらゆる業種・規模感の新規事業開発 / マーケティング / ブランディング / PR支援等を実施。その後「Start-X合同会社」「Good Vibes Tokyo合同会社」を設立。マーケティングや事業開発、クリエイティブ制作等の支援事業と共同・自社事業を複数展開。現在は、株式会社グッドパッチへ参画。社長室で各種事業開発に従事しています。複数企業の顧問・アドバイザーも兼務。

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なんでニュースレターを始めるの?

読者層はこんな想定をしているのですが...

読者層

主に、企業のマーケティング/広報関連部門の方々を中心で想定。

次いで、経営者/経営企画/事業開発部門、そのほか新規事業支援を行うコンサルの方にもご購読いただきたいと思っています。

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普段お仕事で様々な方とお話ししている中で、「ビジネスグロース」の知見が不足している!という気づきがあったので、本ニュースレター発信のきっかけです。

  • 新規事業開発

  • マーケティング

  • 経営・企業変革

といった自分の強みである情報を発信することで、皆様のビジネスグロースに少しでも貢献できると思いました。(新規事業開発やマーケティングを通じたグロースの知見獲得も大変ですし、外注に頼っている企業さんもいまだに多いですからね、少しでも組織力やマーケ力の強化に役立つと嬉しいです)企業のマーケティングや事業グロース戦略等について分析を通じて、少しでも皆様の事業成長に貢献できるようにできればと考えております。

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はじめに

こんにちは。 今号では「事業グロース戦略」をテーマに、ビジネスを持続的に成長させるための全体像を整理します。

事業成長は一度の打ち手で実現するものではなく、基盤づくり → 成長加速 → 拡張戦略 の3つのフェーズを段階的に積み上げることで持続的な成果が生まれます。

本稿は保存版として、各フェーズで実務的に何をすべきかを掘り下げました。

今号のポイント(3つの要約)

  • 基盤づくり:PMF、KPI設計、ブランドポジションを固める

  • 成長加速:顧客獲得効率化、LTV最大化、部門連携で仕組み化

  • 拡張戦略:新規事業、M&A、グローバル展開で第二の成長曲線を描く

1. 基盤づくり(Foundation Phase)

1-1. PMF(プロダクトマーケットフィット)の重要性

PMFは「顧客がその製品・サービスを心から求めている状態」を指します。PMFが未達のままマーケティングを強化しても、穴の空いたバケツに水を注ぐようなものです。

  • PMFを測る指標例 NPS(推奨度スコア) リピート率、継続利用率 「もしサービスがなくなったら?」という質問への回答率(困る人が40%以上なら強い)

  • NPS(推奨度スコア)

  • リピート率、継続利用率

  • 「もしサービスがなくなったら?」という質問への回答率(困る人が40%以上なら強い)

失敗事例:広告投資を増やしたが、解約率が高すぎてLTVが獲得コストを下回り、資金繰りが悪化して撤退。→ 原因はPMF不十分。

1-2. KPI設計とデータ基盤整備

売上や利益といった財務指標に直結する「ドライバーKPI」を特定することが重要です。

  • 例:サブスクSaaSの場合 新規契約件数 有料転換率 月次解約率 ARPU(ユーザーあたり平均収益)

  • 新規契約件数

  • 有料転換率

  • 月次解約率

  • ARPU(ユーザーあたり平均収益)

データ基盤が整備されていないと、打ち手の効果検証が遅れ、意思決定が感覚頼りになります。BIツールやダッシュボードを早期に導入し、「データドリブンな意思決定」を文化として根付かせることが求められます。

1-3. ブランドポジショニングの確立

ブランドは長期的な競争優位の源泉です。

  • ポジショニングのフレームワーク Who(誰に) What(どんな価値を) How(どのように独自性を持って)

  • Who(誰に)

  • What(どんな価値を)

  • How(どのように独自性を持って)

例:AppleのiPhone 単なる「携帯電話」ではなく「人生を豊かにするライフスタイルデバイス」としてポジショニング。→ 価格競争から脱却し、長期的なブランド価値を確立。

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2. 成長加速(Acceleration Phase)

2-1. 顧客獲得チャネルの最適化

顧客獲得は「短期効率」と「長期基盤」の両立が重要です。

  • 短期チャネル:広告(Google Ads、Meta Ads、Yahoo!広告など)

  • 中期チャネル:SEO、コンテンツマーケティング

  • 長期チャネル:ブランド認知、コミュニティ形成

チェックリスト

  • CAC(顧客獲得コスト)とLTVの比率は3倍以上か?

  • 流入チャネルの依存度が偏っていないか?

  • CPAベースではなくLTVベースで評価しているか?

2-2. LTV最大化とリテンション

成長加速フェーズで最大の鍵は「既存顧客をどれだけ維持できるか」です。

  • 施策例 定期的な顧客インタビュー → ニーズ変化を先取り パーソナライズ施策 → メール、アプリ通知、レコメンド カスタマーサクセス → 成功体験を提供し、解約率を下げる

  • 定期的な顧客インタビュー → ニーズ変化を先取り

  • パーソナライズ施策 → メール、アプリ通知、レコメンド

  • カスタマーサクセス → 成功体験を提供し、解約率を下げる

ケーススタディ:Netflix ユーザー視聴データをAIで解析し、レコメンド精度を高めることでリテンションを強化。→ 解約率の低下、オリジナルコンテンツ投資の原資を確保。

2-3. 営業・マーケ・CSの連動

部門サイロ化は成長を阻害します。

  • 連動の仕組み 1つの「顧客ジャーニーKPI」を全社で共有 顧客データを一元化し、営業・マーケ・CSが同じ情報を参照 定例の「グロース会議」で改善サイクルを高速回転

  • 1つの「顧客ジャーニーKPI」を全社で共有

  • 顧客データを一元化し、営業・マーケ・CSが同じ情報を参照

  • 定例の「グロース会議」で改善サイクルを高速回転

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3. 拡張戦略(Expansion Phase)

3-1. 新規事業・新市場参入

隣接市場への拡張は自然な流れです。

  • 例 Uber:配車サービス → Uber Eats(隣接ニーズ活用) Amazon:EC → AWS(自社インフラをサービス化)

  • Uber:配車サービス → Uber Eats(隣接ニーズ活用)

  • Amazon:EC → AWS(自社インフラをサービス化)

成功の条件:既存アセット(顧客基盤、技術、人材)を活かせるか?

3-2. アライアンス・M&A

時間を買う戦略としてのM&Aは有効です。特にDXやAI領域では、自社開発よりM&Aの方がスピード優先で合理的なケースも多いです。

3-3. グローバル展開

国内市場に依存する限界を突破するには海外進出が必要です。

  • ポイント 「どの市場に参入するか」を徹底分析(市場規模、規制、文化) ローカルパートナーとの協業で参入障壁を下げる 収益モデルを現地適応(例:中国の動画市場では広告モデルより課金モデルが強い)

  • 「どの市場に参入するか」を徹底分析(市場規模、規制、文化)

  • ローカルパートナーとの協業で参入障壁を下げる

  • 収益モデルを現地適応(例:中国の動画市場では広告モデルより課金モデルが強い)

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4. フェーズ横断の成功要因

4-1. 仮説検証の文化

すべての打ち手は「仮説 → 実行 → 検証 → 学習」のループで回す。

4-2. 人材と組織

成長のボトルネックはしばしば「人」。採用、育成、組織デザインが戦略と同じくらい重要です。

4-3. 資金調達と投資配分

成長フェーズに応じて、攻めるべき投資と守るべき投資を見極める。→ 特にスタートアップでは「資金ショート」が最大のリスク。

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5. よくある失敗パターン

  • PMF前に広告投資を過剰に行い、資金難に陥る

  • 顧客獲得に偏重し、解約率を軽視する

  • 部門間の分断で改善スピードが遅くなる

  • 新規事業にリソースを分散しすぎて既存事業が失速

  • グローバル展開で文化的適応を軽視し撤退

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まとめ

事業グロース戦略を3層構造で捉えると整理しやすくなります。

  • 基盤づくり:PMF、KPI設計、ブランド確立

  • 成長加速:顧客獲得効率化、LTV最大化、部門連携

  • 拡張戦略:新規事業、M&A、グローバル展開

大切なのは「一度きりの戦略」ではなく「進化し続ける戦略」。環境が変化する中で、仮説検証を繰り返し、柔軟にアップデートする姿勢が最も重要です。

最後に

それでは、最後までお読みいただきありがとうございました!

👉 次号では 「顧客獲得戦略」 をテーマに、チャネル別ROI比較や実践事例をさらに掘り下げて解説します。

今回は、事業グロース戦略に関してお届けしましたが、今後は企業や事業などの分析なども通じてお役立ち情報を発信していきます。

時間の許す限り、週1で頑張って配信していきたいと思っておりますので応援のほどよろしくお願いします。

ではでは。

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