週20時間で会社を回す、僕の時間設計の全公開してみた

僕が減らしたのは、労働時間ではない。意思決定に届かない時間を、生活と会社の外に出した。
山口偉大 2026.06.23
サポートメンバー限定

山口偉大(Takehiro Yamaguchi)です。

このニュースレターでは、経営やマーケティングの現場で見てきた「マーケティング」「ブランディング」「新規事業」「事業グロース」等の話を、構造化して書いていきます。

テーマは、すべて「設計と編集」です。

経営も、事業も、ブランドも、プロダクトも、音楽も、食も、カルチャーも、都市も、旅行も。うまくいくものには必ず“順番”と“余白”があります。

顧問・アドバイザーの現場でしか話さない踏み込んだ話、SNSには出さない裏話なども配信予定です。

▼ 取り上げるテーマ

・マーケティング

・ブランディング

・新規事業

・事業グロース戦略

・企業/事業分析 

・経営者の意思決定 

・プロダクト開発と編集 

・音楽・食・カルチャー・都市・旅から考える仕事の設計

・キャリア論

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自己紹介

まずは簡単な自己紹介から。略歴はこんな感じです。

経歴

山梨県出身、早稲田大学政治経済学部政治学科卒業。PR会社「株式会社ベクトル」にてPRコンサルタントとして従事したのち、「株式会社Branding Engineer(現 株式会社TWOSTONE&Sons)」へ参画、各種人材・DX関連の事業立ち上げや事業部長・経営企画を歴任し独立。上場企業から地方の中堅・中小企業までありとあらゆる業種・規模感の新規事業開発 / マーケティング / ブランディング / PR支援等を実施。その後「Start-X合同会社」を設立。マーケティングや事業開発、クリエイティブ制作等の支援事業と共同・自社事業を複数展開。「株式会社グッドパッチ」参画後は、各種新規事業開発や事業グロース支援業務に従事。現在は、再度「Start-X合同会社」の代表を継続しながらフリーランスとしても活動し、複数企業の顧問・アドバイザーも兼務。

音楽:DJ & Producer「Takehiro Yamaguchi」名義でSpotify・Apple Musicなどの各種音楽配信プラットフォームにて配信中。

食:プライベートシェフとして和食・寿司を中心に提供。 

拠点:東京を中心に、世界の都市。たまに地元の山梨。

各種SNSアカウント

お仕事や各種ご相談はSNSからお気軽に。

設計と編集をテーマに、仕事・音楽・食・カルチャー・街・旅行の話を届けます。

オフィシャルウェブサイト

***

こんにちは、山口偉大です。

今日はサポートメンバー限定記事として、かなり具体的な話をします。

テーマは、週20時間で会社を回す、僕の時間設計の全公開です。

先に断っておくと、これは「週20時間だけ働けばいい」という話ではありません。むしろ逆です。僕は、働く時間を減らすために会社をやっているわけではないし、短時間労働を美談にしたいわけでもありません。

ただ、病気で倒れた経験があり、脳と身体のコンディションにかなり気を使わざるを得ない。

東京、日本全国、ときどき山梨に籠る生活をしながら、Start-X、顧問・アドバイザリー、執筆、SNS、AI活用、複数のメディア/サービス運営を同時に進めている。だから、時間を「増やす」ことを前提にした経営は、最初から向いていませんでした。

結果として、僕はかなり意識的に、会社を週20時間前後で回す前提にしています。

時間が足りない人ほど、時間を増やそうとする。
けれど経営で最初にやるべきなのは、時間ではなく判断の置き場所を減らすことだ。

今回の記事では、無料パートで「なぜ週20時間経営が必要になったのか」「何を捨てないと成立しないのか」を書きます。

有料パートでは、実際の週間配分、会議ルール、iPhoneとMacの役割分担、AIの使い方、週次レビューのテンプレートまで公開します。

サポートメンバー向けには、かなり実務寄りに書きます。読んだあとに、自分の1週間をそのまま組み替えられる状態を目指します。

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***

1. 僕が「週20時間」を置いた理由

週20時間という数字だけを見ると、少し極端に聞こえるかもしれません。

ただ、僕にとってこれは、理想のライフスタイルから逆算した数字というより、かなり現実的な制約から出てきた数字です。

健康面の問題がある。
記憶や集中の波もある。
支援先の現場に入りながら、文章を書き、SNSを運用し、複数のプロジェクトを見て、
音楽や料理や街の時間も残したい。

さらに、日々の業務の70〜80%はiPhoneで回し、制作・開発・細かい管理だけMacBookに寄せたい。

この条件で、普通の会社員的な時間の使い方をすると、すぐに破綻します。

朝からチャットを見る。午前中に会議を入れる。昼に返信を返す。午後に資料を作る。夕方にまた会議。夜にSNS。深夜に思考。週末に帳尻合わせ。

このやり方は、短期的には回ります。でも、脳と身体に借金が溜まる。しかも、その借金は見えにくい。

MicrosoftのWork Trend Indexでは、平均的な従業員がMicrosoft 365上で57%の時間を会議・メール・チャットなどのコミュニケーションに使い、43%を文書・表計算・プレゼンなどの作成に使っているとされています。また、生産性を妨げる要因として「非効率な会議」が上位に挙がっています。

このデータを見たとき、僕が強く思ったのは「時間が足りない」のではなく、
「時間が判断に届く前に溶けている」ということでした。

会議をしている。

返信している。

資料を作っている。

移動している。

でも、会社にとって本当に重要な判断は進んでいない。

この状態で労働時間を増やしても、会社は強くなりません。
むしろ、判断に届かない時間が増えるだけです。

週20時間で会社を回すとは、短く働くことではない。
判断に届かない時間を、会社の中心から外すことだ。

僕が週20時間という制約を置いたのは、時間の節約のためではありません。

自分の健康状態を守るため。

会社の判断を薄めないため。

仕事と生活のあいだに、ちゃんと余白を残すため。

そして何より、事業やブランドや文章に、自分の感覚が残る状態でいるためです。

時間を詰め込みすぎると、仕事は速くなります。でも、感覚が鈍ります。

僕にとって、感覚が鈍った状態で会社を回すことの方が、労働時間が短いことより怖い。

だから、まず時間を制約にした。

20時間で回らないものは、やり方を変える。やることを減らす。人に渡す。AIに任せる。そもそもやらない。

この順番にしました。

***

2. 時間管理ではなく「判断管理」として考える

多くの時間術は、カレンダーの使い方から始まります。

朝活、タイムブロッキング、タスク管理、Notion、Google Calendar、リマインダー。

もちろん、全部役に立ちます。

でも、僕は会社を回す時間に関しては、時間管理から入ると少し危ないと思っています。

なぜなら、時間をきれいに並べても、判断が散らかっていたら意味がないからです。

9時から10時までA社、10時から11時までB社、11時から12時までSNS、13時から14時まで会計。こうやって箱を作ることはできます。ただ、その箱の中で何を決めるのかが曖昧なら、時間はすぐ作業で埋まります。

経営者の時間は、作業時間ではありません。

判断の時間です。

何をやるか。

何をやめるか。

誰に任せるか。

どの顧客を深く見るか。

どの事業を伸ばすか。

どの発信を続けるか。

どの誘いを断るか。

ここが曖昧なまま時間だけを整えると、整ったカレンダーの中で、散らかった判断を続けることになります。

Deloitteの2026 Global Human Capital Trendsでは、今後3年間の主要な競争戦略として、ビジネスリーダーの7割が「速く、機敏であること」を挙げています。同時に、成功の重要なドライバーとして、人と資源をどう組み合わせて仕事を進めるか、変化にどう適応するかが挙げられています。

この「速さ」は、単に作業を速くすることではありません。

判断の遅さを減らすことです。

時間を整えても、判断が散らかっていれば会社は散らかる。
経営者が最初に整えるべきなのは予定表ではなく、判断の順番である。

僕の週20時間経営は、タイムマネジメントというより、判断マネジメントに近いです。

カレンダーを見る前に、今週の判断を3つに絞る。

その判断に必要な材料だけを集める。

  • 判断に関係ない会議は入れない。

  • 判断に関係ない資料は作らない。

  • 判断に関係ない返信は、返信の窓に寄せる。

この順番です。

以前、「なぜ“正しい努力”は報われないのか」で、努力が成果に変わるには、場所・テコ・信号・記憶・資源配分の回路が必要だと書きました。

また、「仕事ができるのに選ばれない人」の共通点では、優秀さは成果を出した瞬間ではなく、誰かの意思決定に届いた瞬間に成長資産になると書きました。さらに、通常記事「思考力は、才能ではなく習慣である」では、問いを置き、観察し、言葉にし、決める回路が思考力を作ると整理しました。

今回の時間の話は、この3本の続きです。努力も、優秀さも、思考力も、時間も、単体では価値になりません。すべて、意思決定に接続されたときに価値になります。

時間も同じです。

時間は、使っただけでは意味がない。

どの判断に接続されたかで価値が決まります。

***

3. 週20時間経営で、最初に捨てた4つの時間

週20時間で会社を回すために、最初にやったことは、効率化ではありません。

捨てることでした。

ここを間違えると、時間術はだいたい失敗します。

効率化から入ると、今あるタスクを速く処理しようとします。

でも、本当に必要なのは、そもそも処理しなくていいものを減らすことです。

僕が最初に捨てた時間は、大きく4つあります。

1つ目は、反射で返す時間です。

チャット、メール、DM、相談、誘い。すぐ返すこと自体は悪くありません。むしろ信頼の入口になることもあります。ただ、常に即レス状態でいると、1日の主導権を通知に渡すことになります。

だから、僕は「返事は速く、判断は急がない」を分けています。

受け取ったことは認識する。でも、重要な判断はまとめて見る。iPhoneで拾い、判断は時間を区切って行う。

2つ目は、説明のための説明時間です。

相手が判断できない資料を作り直す時間。会議で口頭補足しないと伝わらない提案。毎回ゼロから背景を説明する時間。

これは、資料作成の問題ではなく、前提共有の問題です。

同じ説明を3回したら、テンプレートか記事かFAQにする。これを決めました。

3つ目は、会議で安心する時間です。

会議をすると、進んでいる気がします。顔を見て話すと、関係性もできた気がします。でも、終わったあとに何も決まっていない会議は、ただの安心消費です。

Harvard Business Reviewは、調査で会議の約70%が従業員の生産的な仕事を妨げていると紹介しています。また、パンデミック期に会議時間の平均は短くなった一方、参加する会議数は13.5%増えたとも書かれています。

会議が悪いのではありません。

決まらない会議が悪い。

4つ目は、小さな管理に溶ける時間です。

請求、日程調整、進捗確認、ファイル整理、SNSや各種コンテンツの下書き整理。ひとつひとつは小さい。でも、散らばると脳の場所を奪います。

だから、小さな管理は「毎日やらない」と決めました。

週に何度か時間を決めて、まとめる。

iPhoneで拾って、Macで処理する。

AIに下準備させて、人間は最後だけ見る。

時間を増やす前に、時間を漏らしている穴を塞ぐ。
週20時間経営は、効率化ではなく穴埋めから始まる。

この4つを捨てるだけでも、会社の時間はかなり軽くなります。

ただし、ここまでだとまだ入口です。

本当に大事なのは、空いた時間をどう置き直すかです。

***

4. 週20時間は「少なく働く技術」ではなく「濃度を上げる技術」

4日勤務や短時間労働の議論を見ると、多くの人が「休みが増えるかどうか」に注目します。

実際に、僕は土日祝という一般的な休みに加えて水曜日も「Focus Day」として余白としての休日にあてています。

でも、本質はそこではありません。

Autonomy Instituteがまとめた英国の4日勤務トライアルでは、61社・約2,900人が参加し、56社、つまり92%が試験後も4日勤務を継続しました。従業員の39%がストレス低下を報告し、71%が燃え尽きの低下を報告しています。一方で、参加企業の売上は試験期間中に平均1.4%増え、離職者数は57%減少しました。

この結果を「やっぱり短く働いた方がいい」とだけ読むと、かなり浅いです。

重要なのは、短く働くために、各社が仕事の進め方を変えたことです。

会議を減らす。
情報共有を変える。
タスクの渡し方を見直す。
集中時間を確保する。
誰が何を決めるかを明確にする。

つまり、時間を減らしたのではなく、時間の濃度を上げた。

短時間で成果を出す会社は、頑張る時間を削っているのではない。
成果に届かない時間を、仕事の流れから外している。

僕の週20時間も、これに近いです。

20時間しか働かない、ではありません。

20時間に収まるように、会社の流れを変える。

そのために、入口を絞る。会議を減らす。判断をまとめる。制作を束ねる。返信を窓化する。AIを前処理に使う。iPhoneとMacの役割を分ける。山梨に籠る時間を、逃避ではなく思考の再起動にする。

ここで一度、無料読者の方に伝えておきたいことがあります。

週20時間という数字だけを真似しても、おそらくうまくいきません。大事なのは、20時間という箱ではなく、どの時間を会社の中心に残し、どの時間を外に出すかです。

僕自身も、最初からきれいにできたわけではありません。むしろ最初は不安でした。

仕事を減らすと、機会を逃すのではないか。
返信を窓化すると、信頼を失うのではないか。
会議を減らすと、関係性が弱くなるのではないか。

そういう怖さがありました。

でも、実際には逆でした。

時間を減らしたことで、相手に渡す言葉が濃くなった。
会議を減らしたことで、会議の前に考えるようになった。
返信を分けたことで、重要な判断を疲れた状態でしなくなった。

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無料パートでは、ここまでを共有しました。

ここから先は、サポートメンバー向けに、かなり具体的に開きます。

  • 実際の週20時間の時間配分

  • 曜日別の使い方

  • 会議を入れる条件

  • iPhoneでやる仕事/Macでやる仕事

  • AIに任せている前処理

  • 顧問現場で使っている時間削減の型

  • 週次レビューのテンプレート

  • 自分の時間を診断するチェックリスト

時間術としてではなく、会社を回すための実務として書きます。

月500円。コーヒー1杯分で、この続きと過去の限定アーカイブが読めます。自分の働き方、会社の会議、マーケティングやブランディング、事業グロースの深い話、顧問・アドバイザリー先との関わり方、AI活用の置き方を見直したい方には、十分に元が取れる内容にしています。

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