週20時間で会社を回す、僕の時間設計の全公開してみた
山口偉大(Takehiro Yamaguchi)です。
このニュースレターでは、経営やマーケティングの現場で見てきた「マーケティング」「ブランディング」「新規事業」「事業グロース」等の話を、構造化して書いていきます。
テーマは、すべて「設計と編集」です。
経営も、事業も、ブランドも、プロダクトも、音楽も、食も、カルチャーも、都市も、旅行も。うまくいくものには必ず“順番”と“余白”があります。
顧問・アドバイザーの現場でしか話さない踏み込んだ話、SNSには出さない裏話なども配信予定です。
▼ 取り上げるテーマ
・マーケティング
・ブランディング
・新規事業
・事業グロース戦略
・企業/事業分析
・経営者の意思決定
・プロダクト開発と編集
・音楽・食・カルチャー・都市・旅から考える仕事の設計
・キャリア論
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自己紹介
まずは簡単な自己紹介から。略歴はこんな感じです。
経歴
山梨県出身、早稲田大学政治経済学部政治学科卒業。PR会社「株式会社ベクトル」にてPRコンサルタントとして従事したのち、「株式会社Branding Engineer(現 株式会社TWOSTONE&Sons)」へ参画、各種人材・DX関連の事業立ち上げや事業部長・経営企画を歴任し独立。上場企業から地方の中堅・中小企業までありとあらゆる業種・規模感の新規事業開発 / マーケティング / ブランディング / PR支援等を実施。その後「Start-X合同会社」を設立。マーケティングや事業開発、クリエイティブ制作等の支援事業と共同・自社事業を複数展開。「株式会社グッドパッチ」参画後は、各種新規事業開発や事業グロース支援業務に従事。現在は、再度「Start-X合同会社」の代表を継続しながらフリーランスとしても活動し、複数企業の顧問・アドバイザーも兼務。
音楽:DJ & Producer「Takehiro Yamaguchi」名義でSpotify・Apple Musicなどの各種音楽配信プラットフォームにて配信中。
食:プライベートシェフとして和食・寿司を中心に提供。
拠点:東京を中心に、世界の都市。たまに地元の山梨。
各種SNSアカウント
お仕事や各種ご相談はSNSからお気軽に。
設計と編集をテーマに、仕事・音楽・食・カルチャー・街・旅行の話を届けます。
オフィシャルウェブサイト
こんにちは、山口偉大です。
今日はサポートメンバー限定記事として、かなり具体的な話をします。
テーマは、週20時間で会社を回す、僕の時間設計の全公開です。
先に断っておくと、これは「週20時間だけ働けばいい」という話ではありません。むしろ逆です。僕は、働く時間を減らすために会社をやっているわけではないし、短時間労働を美談にしたいわけでもありません。
ただ、病気で倒れた経験があり、脳と身体のコンディションにかなり気を使わざるを得ない。
東京、日本全国、ときどき山梨に籠る生活をしながら、Start-X、顧問・アドバイザリー、執筆、SNS、AI活用、複数のメディア/サービス運営を同時に進めている。だから、時間を「増やす」ことを前提にした経営は、最初から向いていませんでした。
結果として、僕はかなり意識的に、会社を週20時間前後で回す前提にしています。
時間が足りない人ほど、時間を増やそうとする。
けれど経営で最初にやるべきなのは、時間ではなく判断の置き場所を減らすことだ。
今回の記事では、無料パートで「なぜ週20時間経営が必要になったのか」「何を捨てないと成立しないのか」を書きます。
有料パートでは、実際の週間配分、会議ルール、iPhoneとMacの役割分担、AIの使い方、週次レビューのテンプレートまで公開します。
サポートメンバー向けには、かなり実務寄りに書きます。読んだあとに、自分の1週間をそのまま組み替えられる状態を目指します。
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1. 僕が「週20時間」を置いた理由
週20時間という数字だけを見ると、少し極端に聞こえるかもしれません。
ただ、僕にとってこれは、理想のライフスタイルから逆算した数字というより、かなり現実的な制約から出てきた数字です。
健康面の問題がある。
記憶や集中の波もある。
支援先の現場に入りながら、文章を書き、SNSを運用し、複数のプロジェクトを見て、
音楽や料理や街の時間も残したい。
さらに、日々の業務の70〜80%はiPhoneで回し、制作・開発・細かい管理だけMacBookに寄せたい。
この条件で、普通の会社員的な時間の使い方をすると、すぐに破綻します。
朝からチャットを見る。午前中に会議を入れる。昼に返信を返す。午後に資料を作る。夕方にまた会議。夜にSNS。深夜に思考。週末に帳尻合わせ。
このやり方は、短期的には回ります。でも、脳と身体に借金が溜まる。しかも、その借金は見えにくい。
MicrosoftのWork Trend Indexでは、平均的な従業員がMicrosoft 365上で57%の時間を会議・メール・チャットなどのコミュニケーションに使い、43%を文書・表計算・プレゼンなどの作成に使っているとされています。また、生産性を妨げる要因として「非効率な会議」が上位に挙がっています。
このデータを見たとき、僕が強く思ったのは「時間が足りない」のではなく、
「時間が判断に届く前に溶けている」ということでした。
会議をしている。
返信している。
資料を作っている。
移動している。
でも、会社にとって本当に重要な判断は進んでいない。
この状態で労働時間を増やしても、会社は強くなりません。
むしろ、判断に届かない時間が増えるだけです。
週20時間で会社を回すとは、短く働くことではない。
判断に届かない時間を、会社の中心から外すことだ。
僕が週20時間という制約を置いたのは、時間の節約のためではありません。
自分の健康状態を守るため。
会社の判断を薄めないため。
仕事と生活のあいだに、ちゃんと余白を残すため。
そして何より、事業やブランドや文章に、自分の感覚が残る状態でいるためです。
時間を詰め込みすぎると、仕事は速くなります。でも、感覚が鈍ります。
僕にとって、感覚が鈍った状態で会社を回すことの方が、労働時間が短いことより怖い。
だから、まず時間を制約にした。
20時間で回らないものは、やり方を変える。やることを減らす。人に渡す。AIに任せる。そもそもやらない。
この順番にしました。
2. 時間管理ではなく「判断管理」として考える
多くの時間術は、カレンダーの使い方から始まります。
朝活、タイムブロッキング、タスク管理、Notion、Google Calendar、リマインダー。
もちろん、全部役に立ちます。
でも、僕は会社を回す時間に関しては、時間管理から入ると少し危ないと思っています。
なぜなら、時間をきれいに並べても、判断が散らかっていたら意味がないからです。
9時から10時までA社、10時から11時までB社、11時から12時までSNS、13時から14時まで会計。こうやって箱を作ることはできます。ただ、その箱の中で何を決めるのかが曖昧なら、時間はすぐ作業で埋まります。
経営者の時間は、作業時間ではありません。
判断の時間です。
何をやるか。
何をやめるか。
誰に任せるか。
どの顧客を深く見るか。
どの事業を伸ばすか。
どの発信を続けるか。
どの誘いを断るか。
ここが曖昧なまま時間だけを整えると、整ったカレンダーの中で、散らかった判断を続けることになります。
Deloitteの2026 Global Human Capital Trendsでは、今後3年間の主要な競争戦略として、ビジネスリーダーの7割が「速く、機敏であること」を挙げています。同時に、成功の重要なドライバーとして、人と資源をどう組み合わせて仕事を進めるか、変化にどう適応するかが挙げられています。
この「速さ」は、単に作業を速くすることではありません。
判断の遅さを減らすことです。
時間を整えても、判断が散らかっていれば会社は散らかる。
経営者が最初に整えるべきなのは予定表ではなく、判断の順番である。
僕の週20時間経営は、タイムマネジメントというより、判断マネジメントに近いです。
カレンダーを見る前に、今週の判断を3つに絞る。
その判断に必要な材料だけを集める。
判断に関係ない会議は入れない。
判断に関係ない資料は作らない。
判断に関係ない返信は、返信の窓に寄せる。
この順番です。
以前、「なぜ“正しい努力”は報われないのか」で、努力が成果に変わるには、場所・テコ・信号・記憶・資源配分の回路が必要だと書きました。
また、「仕事ができるのに選ばれない人」の共通点では、優秀さは成果を出した瞬間ではなく、誰かの意思決定に届いた瞬間に成長資産になると書きました。さらに、通常記事「思考力は、才能ではなく習慣である」では、問いを置き、観察し、言葉にし、決める回路が思考力を作ると整理しました。
今回の時間の話は、この3本の続きです。努力も、優秀さも、思考力も、時間も、単体では価値になりません。すべて、意思決定に接続されたときに価値になります。
時間も同じです。
時間は、使っただけでは意味がない。
どの判断に接続されたかで価値が決まります。
3. 週20時間経営で、最初に捨てた4つの時間
週20時間で会社を回すために、最初にやったことは、効率化ではありません。
捨てることでした。
ここを間違えると、時間術はだいたい失敗します。
効率化から入ると、今あるタスクを速く処理しようとします。
でも、本当に必要なのは、そもそも処理しなくていいものを減らすことです。
僕が最初に捨てた時間は、大きく4つあります。
1つ目は、反射で返す時間です。
チャット、メール、DM、相談、誘い。すぐ返すこと自体は悪くありません。むしろ信頼の入口になることもあります。ただ、常に即レス状態でいると、1日の主導権を通知に渡すことになります。
だから、僕は「返事は速く、判断は急がない」を分けています。
受け取ったことは認識する。でも、重要な判断はまとめて見る。iPhoneで拾い、判断は時間を区切って行う。
2つ目は、説明のための説明時間です。
相手が判断できない資料を作り直す時間。会議で口頭補足しないと伝わらない提案。毎回ゼロから背景を説明する時間。
これは、資料作成の問題ではなく、前提共有の問題です。
同じ説明を3回したら、テンプレートか記事かFAQにする。これを決めました。
3つ目は、会議で安心する時間です。
会議をすると、進んでいる気がします。顔を見て話すと、関係性もできた気がします。でも、終わったあとに何も決まっていない会議は、ただの安心消費です。
Harvard Business Reviewは、調査で会議の約70%が従業員の生産的な仕事を妨げていると紹介しています。また、パンデミック期に会議時間の平均は短くなった一方、参加する会議数は13.5%増えたとも書かれています。
会議が悪いのではありません。
決まらない会議が悪い。
4つ目は、小さな管理に溶ける時間です。
請求、日程調整、進捗確認、ファイル整理、SNSや各種コンテンツの下書き整理。ひとつひとつは小さい。でも、散らばると脳の場所を奪います。
だから、小さな管理は「毎日やらない」と決めました。
週に何度か時間を決めて、まとめる。
iPhoneで拾って、Macで処理する。
AIに下準備させて、人間は最後だけ見る。
時間を増やす前に、時間を漏らしている穴を塞ぐ。
週20時間経営は、効率化ではなく穴埋めから始まる。
この4つを捨てるだけでも、会社の時間はかなり軽くなります。
ただし、ここまでだとまだ入口です。
本当に大事なのは、空いた時間をどう置き直すかです。
4. 週20時間は「少なく働く技術」ではなく「濃度を上げる技術」
4日勤務や短時間労働の議論を見ると、多くの人が「休みが増えるかどうか」に注目します。
実際に、僕は土日祝という一般的な休みに加えて水曜日も「Focus Day」として余白としての休日にあてています。
でも、本質はそこではありません。
Autonomy Instituteがまとめた英国の4日勤務トライアルでは、61社・約2,900人が参加し、56社、つまり92%が試験後も4日勤務を継続しました。従業員の39%がストレス低下を報告し、71%が燃え尽きの低下を報告しています。一方で、参加企業の売上は試験期間中に平均1.4%増え、離職者数は57%減少しました。
この結果を「やっぱり短く働いた方がいい」とだけ読むと、かなり浅いです。
重要なのは、短く働くために、各社が仕事の進め方を変えたことです。
会議を減らす。
情報共有を変える。
タスクの渡し方を見直す。
集中時間を確保する。
誰が何を決めるかを明確にする。
つまり、時間を減らしたのではなく、時間の濃度を上げた。
短時間で成果を出す会社は、頑張る時間を削っているのではない。
成果に届かない時間を、仕事の流れから外している。
僕の週20時間も、これに近いです。
20時間しか働かない、ではありません。
20時間に収まるように、会社の流れを変える。
そのために、入口を絞る。会議を減らす。判断をまとめる。制作を束ねる。返信を窓化する。AIを前処理に使う。iPhoneとMacの役割を分ける。山梨に籠る時間を、逃避ではなく思考の再起動にする。
ここで一度、無料読者の方に伝えておきたいことがあります。
週20時間という数字だけを真似しても、おそらくうまくいきません。大事なのは、20時間という箱ではなく、どの時間を会社の中心に残し、どの時間を外に出すかです。
僕自身も、最初からきれいにできたわけではありません。むしろ最初は不安でした。
仕事を減らすと、機会を逃すのではないか。
返信を窓化すると、信頼を失うのではないか。
会議を減らすと、関係性が弱くなるのではないか。
そういう怖さがありました。
でも、実際には逆でした。
時間を減らしたことで、相手に渡す言葉が濃くなった。
会議を減らしたことで、会議の前に考えるようになった。
返信を分けたことで、重要な判断を疲れた状態でしなくなった。
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ここから先は、サポートメンバー向けに、かなり具体的に開きます。
実際の週20時間の時間配分
曜日別の使い方
会議を入れる条件
iPhoneでやる仕事/Macでやる仕事
AIに任せている前処理
顧問現場で使っている時間削減の型
週次レビューのテンプレート
自分の時間を診断するチェックリスト
時間術としてではなく、会社を回すための実務として書きます。
月500円。コーヒー1杯分で、この続きと過去の限定アーカイブが読めます。自分の働き方、会社の会議、マーケティングやブランディング、事業グロースの深い話、顧問・アドバイザリー先との関わり方、AI活用の置き方を見直したい方には、十分に元が取れる内容にしています。
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