ブランドと顧客獲得の関係を整理してみた

短期施策と長期投資をどう組み合わせるか
山口偉大 2025.09.22
誰でも

こんにちは!山口です。

このニュースレターでは、企業のマーケティングや事業グロース戦略等について分析していきます。時折、ゲストを招いた対談記事なども配信していけたらと考えています。

ビジネス成長の”最強の武器”になるニュースレターを目指して配信していきますので、ぜひ応援のほどよろしくお願いします。

有料・無料問わず不定期で(だいたい週1回)配信していく想定です。まずは無料購読をして、味見してください。

✓ レターのテーマ
・マーケティング
・事業戦略
・企業/事業分析
・汎用的なビジネスノウハウ
・キャリア論

自己紹介

まずは簡単な自己紹介から。略歴はこんな感じです。基本的には、起業家として活動しながらも「マーケティングや事業開発」が自分のキャリアの軸となっております。

経歴

山梨県出身、早稲田大学政治経済学部政治学科卒業。PR会社「株式会社ベクトル」にてPRコンサルタントとして従事したのち、「株式会社Branding Engineer(現 株式会社TWOSTONE&Sons)」へ参画、各種人材・DX関連の事業立ち上げや事業部長・経営企画を歴任し独立。上場企業から地方の中堅・中小企業までありとあらゆる業種・規模感の新規事業開発 / マーケティング / ブランディング / PR支援等を実施。その後「Start-X合同会社」「Good Vibes Tokyo合同会社」を設立。マーケティングや事業開発、クリエイティブ制作等の支援事業と共同・自社事業を複数展開。現在は、株式会社グッドパッチへ参画。社長室で各種事業開発に従事しています。複数企業の顧問・アドバイザーも兼務。

※SNS発信も頑張っておりますので、ぜひフォローのほどよろしくお願いします!

各種SNSアカウント

お仕事のご相談は各種SNSからお気軽に。

***

なんでニュースレターを始めるの?

読者層はこんな想定をしているのですが...

読者層

主に、企業のマーケティング/広報関連部門の方々を中心で想定。

次いで、経営者/経営企画/事業開発部門、そのほか新規事業支援を行うコンサルの方にもご購読いただきたいと思っています。

***

こんにちは!山口です。

前回は「顧客獲得戦略」をテーマに、広告・SEO・SNS・オフラインを横断してROIの測り方や最新事例を整理しました。 今回はその続編として、「ブランドと顧客獲得の関係」 を深掘りしていきます。

「顧客獲得」と聞くと、多くの方は広告を出す・SEOを強化する、といった “目に見える施策” を思い浮かべると思います。もちろんそれらは大切ですが、実際には ブランドの強さこそがROIを大きく左右する んです。

  • なぜブランドのある企業は広告費を抑えながら顧客を獲得できるのか?

  • スタートアップや中小企業でも「選ばれるブランド」をどう育てられるのか?

  • 短期施策と長期ブランド投資をどう両立させればいいのか?

今回は国内外の10社以上の事例、ROIシミュレーション、読者向けの自己診断ワークシートを交えながら、実務で使える「ブランド×顧客獲得」戦略 を解説します。

***

今号のポイント(3つの要約)

  • ブランドは広告効率とLTVを同時に改善する「無形資産」

  • 中小企業でもストーリー発信からブランド投資は始められる

  • 短期施策と長期投資は補完関係。両輪で成長カーブを描ける

***

1. ブランドが顧客獲得に与える影響

「ブランドは大事だよね」とはよく言われますが、それを数字で語れる人は意外と少ない。 実際には、ブランドがあるかどうかで 広告効率・顧客の信頼・価格耐性 が大きく変わります。

1-1. メカニズム

  • 認知効果:ブランドが頭の中にあると広告CTRが高まる

  • 信頼効果:見知らぬ企業よりもCVRが改善する

  • 価格耐性:ブランドが強ければ「多少高くても選ばれる」

1-2. データで見るブランド効果

  • Nielsen調査:ブランド想起広告はCTR+31%

  • Google調査:ブランドが強い企業はCACを20〜30%削減

まとめ

ブランドは「イメージ戦略」ではなく、顧客獲得コストを下げる経済的資産 です。

***

2. 中小規模でもブランドを武器にできるのか?

「ブランド投資は大企業の特権」──そんな声もよく聞きます。ですが本当は逆で、小規模だからこそストーリーを打ち出す余地がある のです。

まとめ

ブランドは規模に依存しません。小さな物語が広告効率を左右するのです。

***

3. 短期施策と長期投資のバランス

広告やSEOは即効性がある。一方で、ブランド投資は時間がかかる。 「どちらに力を入れるべきか?」という問いの答えは、両方必要 です。

バランスの目安

  • 初期:広告70/ブランド30

  • 成長期:広告50/ブランド50

  • 安定期:広告30/ブランド70

事例

  • ユニクロ:TVCMとSNSで「LifeWear思想」を広げ、広告CPA▲20%

  • スターバックス:広告削減し「体験」を訴求、リピート率+20%

  • B2B SaaS:オウンドメディアで思想発信、CAC▲25%

まとめ

短期と長期は対立構造ではなく補完関係。両輪を回すことで成長カーブは安定化 します。

***

4. ブランド投資のROIをどう測るか

「ブランド投資は測れない」という誤解は根強いですが、正しくは 測る軸が違うだけ です。

短期KPI

  • 指名検索数

  • CTR改善

中期KPI

  • LTV(解約率低下・リピート率上昇)

  • NPS

長期KPI

  • 市場シェア

  • ブランド好意度

ROIシミュレーション(例)

図解:ブランド投資と獲得ROIの関係

まとめ

ブランド投資は「測れない」のではなく、時間軸でROIをどう見るか がポイントです。

***

5. よくある誤解と失敗パターン

ブランド投資で失敗する多くの企業は「やり方」ではなく「考え方」を間違えています。

典型例

  • ブランド投資=大規模キャンペーンと思い込み

  • ロゴ刷新だけで「リブランディング完了」とする

  • 部署ごとに別メッセージを発信

まとめ

ブランドは見た目ではなく 顧客体験全体の一貫性。これを外すとROIは確実に悪化します。

***

6. 90日で始めるブランド×獲得戦略

理論はわかっても「何からやるか」でつまずく人は多いです。そこで90日計画を示します。

実装ステップ

  • 1〜2週:現状診断(指名検索・NPS)

  • 3〜4週:顧客インタビューで「選ばれる理由」を言語化

  • 5〜8週:広告・SEO・SNSに反映

  • 9〜12週:ROI効果を検証

読者向けワークシート

□ 自社を一言で表せるか?

□ 指名検索は増えているか?

□ 広告にブランド要素を入れているか?

□ NPSを測っているか?

□ 顧客体験は一貫しているか?

まとめ

完璧を目指さず、小さく回して学ぶ。これがブランドと獲得をつなぐ第一歩です。

***

7. 未来展望:ブランドと獲得の境界線がなくなる

これからの顧客獲得は「ブランドがあるかどうか」で分岐します。

未来の3条件

  • AI時代:ブランドなき広告はスパム化

  • クッキーレス時代:信頼ブランドにしかデータは集まらない

  • サステナビリティ時代:意義のないブランドは淘汰

まとめ

ブランドは未来の顧客獲得において「選ばれる理由」かつ「持続可能性の証拠」になります。

***

8. まとめ

ここまで、ブランドと顧客獲得の関係を多面的に見てきました

要点

  • ブランドは広告効率とLTVを改善する

  • 中小企業もストーリーでブランドを武器にできる

  • ROIは時間軸で評価する必要がある

  • 90日で動かせるシンプルな方法がある

まとめ

顧客獲得戦略を考えるとき、ブランドは「飾り」ではなく、ROIを左右する最重要投資です。

***

最後に

最後までお読みいただきありがとうございました! 次号では 「ブランドの定量化」 をテーマに、ブランドKPIや測定方法をさらに掘り下げます。

広告やSEOと比べて「説明が難しい」とされるブランド投資を、どう数字で語り、経営に説明するのか。 次回も楽しみにしていただければ嬉しいです。

今回は、ブランドと顧客獲得の関係に関してお届けしましたが、今後は企業や事業などの分析なども通じてお役立ち情報を発信していきます。

時間の許す限り、週1で頑張って配信していきたいと思っておりますので応援のほどよろしくお願いします。

ではでは。

無料で「Business Growth Letter」をメールでお届けします。コンテンツを見逃さず、読者限定記事も受け取れます。

すでに登録済みの方は こちら